【ソウル11日聯合ニュース】芸能界で成功を収めるには澄んだ瞳が必須といわれるが、氷点下10度を下回る最近の厳しい寒さにも負けない美しく透き通った瞳の持ち主、コ・スがドラマ視聴者をとりこにしている。
SBSドラマ「クリスマスに雪が降るかしら」で主人公カンジンを演じているコ・スは、悲しげでいてどこまでも透明なまなざしと整った顔立ちで、女性ファンの心をつかんだ。インターネット上ではコ・スの名前をもじったさまざまな呼び名も登場する。これにコ・スは、「チャ・カンジンがとても魅力的じゃないですか、清く正直で情熱的。その上、建築デザインで天才的な感覚もある。女性視聴者はカンジンのジワン(ハン・イェジン)に接する姿をよく思ってくれるのだと思う」と話す。
もちろんカンジンという人物自体がかっこいいのだが、コ・スが演じるからこそカンジンは光を放つ。以前はひょろひょろとして頼りなく見えたコ・スも、軍服務を終え年齢も30代に入り、イメージを大きく変えた。体格はがっしりとして、演技面でも成長を遂げ、美少年から頼もしくも美しい男へとグレードアップした。
以前が意欲だけが先走っていたとしたら、今は自分に与えられた状況をどうすればより良く表現できるかを常に悩み続けているというコ・ス。「一時はこれが果たして自分の道なのか深く悩んだりもしたが、ようやく昨年、演じることが自分の道だと受け入れることができた気がする。わたしが変わったとすれば、そうした理由のため」と自らを分析した。
ドラマは明るいイメージのタイトルながら、胸をしめつける内容だ。「ごめん、愛してる」「ありがとうございます」などを手がけた脚本家イ・ギョンヒ氏の作品らしく、カンジンとジワンの愛を切なく描く。
カンジンのキャラクターについてコ・スは、ただ人当たり良く温かいだけの人物ではない点が気に入り、思春期の荒さにも引きつけられたと語った。一筋縄ではいかない、少し暗く真剣な作品に挑戦してみたかったが、「ドラマが進むほどに胸の痛みが増していくよう。これほどつらいとは思わなかった」。酒を扱う仕事をする母親の下で育ちながらエリートとなったカンジンは、高校時代の初恋の相手でずっと忘れることのなかったジワンと10年ぶりに再会する。しかし、彼女がかつて突然姿を消したのは自分のせいだという事実を知り、深く打ちのめされる。このほど放送された第10話で、2人は愛を確かめ合ったが、この後の展開はまだ見守る必要があるとする。
コ・ス自身、内向的で口数が少なく、考え込むタイプだ。いたって真面目な生活を送っており、華やかな芸能界では傷づくことも多いと思われる。役者は自分には手の負えない仕事だと考えたこともあり、軍服務で活動を休止している間、自分自身を失いそうになる生活をまたすべきかと悩んだだという。その末に出した結論は、「自分のやり方でやろう」ということ。以前はスポットライト浴びること自体を負担に感じていたが、これからは受け入れ、楽しもうと努力している。
「ピアノ」「純粋の時代」「男が愛する時」「グリーンローズ」など、これまでも人生の重みを背負ったキャラクターを演じることが多かった。除隊後の映画「白夜行~白い闇を歩く」後のこのドラマでも、深い陰をうかがわせる演技に没頭している。新人時代にはシチュエーションコメディでとぼけた姿を見せ、今も「寒い」ジョークを飛ばすというが、「今のところは崖っぷちに追い込まれる役に引かれる。コメディーはもう少し後でもいいかという気がする」と語る。
演じるということについて、全力でキャラクターを生み出すプロセスが面白く、何かに集中できるのが良いというコ・ス。それでも、俳優と呼ばれることにはいまだに違和感がある。「俳優はわたしが進みたくても進めない道で、この先も難しいと思う。それほどに、わたしが考える俳優には大きな意味がある」からだ。果たして自分が俳優になれるのか確信はなくても、今なすべきことは自覚している。「わたしに与えられた演じるという仕事にただベストを尽くすだけです」。
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