【ソウル11日聯合ニュース】シンガーソングライターとして活動するブラウンアイズのユンゴンが経営するカフェ「マルコの屋根裏部屋」は、青瓦台(大統領府)近くの孝子洞にある。自身の洗礼名をとったこの店は、ニューヨークの屋根裏部屋を思わせるようなビンテージ風の造りで、2階には彼が「要塞(ようさい)」と呼ぶ、スタジオとして使う秘密の空間もある。
コーヒーが人生をより豊かにしてくれたというユンゴン。コーヒーがテーマのエッセー集「コーヒーが愛に話した」の出版に続き、このほど「ラテのように」と題するミニアルバムを発表した。10日のインタビューも、コーヒーの香りに満ちたこのカフェで行われた。
コーヒーは一日3杯飲んでいる。これでも、夜眠れなくなるために減らしたほうだ。最近は、エスプレッソにレモンの砂糖漬けを添えたり、ミントを加えたりと、実験的なコーヒーを楽しんでいると教えてくれた。
しかし、コーヒーが共通分母といえる本とCDは、計画的に出したわけではない。本は昨年の秋、コーヒーにラブストーリーを交えた本を出すというアイデアで知人2人と一緒に執筆にかかり、同じような時期に新譜が重なった。タイトル曲「ラテのように」をはじめとする新譜の収録曲は、1~2年前にできていた楽曲だという。
ニューアルバムは、明るいようで悲しいブラウンアイズの音楽とは違い、実に華やかだ。収録曲の甘いポップバラードを聞いたあるファンは、インターネット上で「ユンゴンはもうじき結婚しそうですね。愛の告白みたいにメロディーラインが明るい」と書き込んだ。
「ブラウンアイズの『すでに1年』のように、わたしの歌は悲しくなさそうで悲しいんです。(結婚式などで)お祝いの歌を頼まれても歌う歌がなくて気付きました。なぜ自分の歌は悲しいのか、憂うつなのかと思い、明るく生きようという気になり、今回は前向きな歌ばかりにしました」。個人的に、心臓に響く溢れそうな音楽が好きだと語る。
気持ちの変化は、今月初めまでDJを務めたラジオ番組による部分もある。それまでいつも、自分にできるだろうかと考えていたのが、何でもやればできるものだと分かった。ラジオDJも本の出版も、勇気を出して取り組んだもの。その前の数年間は安住したがっていて、自ら足踏みしていたために、音楽にも暗さがあったようだと振り返った。
音楽と本に共通する枠組みとなったコーヒーと愛、その相関関係に関する彼の見解は興味深い。2つは似ているというのだ。苦いが香り高く、断ちにくくて中毒性がある。彼にはエスプレッソの滴が落ちるようすが、黒いマスカラがにじむ女の涙に見える。エッセーの中の「彼女」たちは現実の主人公だとし、「コーヒーが香り高いように、愛も過ぎ去ればすべて香りを放つよう」と言った。
時間を見つけては音楽に取り組むが、ブラウンアイズとしての新譜はまだ具体的な計画が立っていない。昨年、相棒のナオルと再び組んでリリースしたサードアルバムは5年7カ月ぶりのリリースとなり、15万枚を売り上げた。今回の新譜のジャケットデザインは、公益勤務要員として服務中のナオルが手がけた。ユンゴンは、いつとは約束できないとしながらも、「ブラウンアイズの音楽はまだ終わりではない」と言い切る。
音楽デビューから10年。年月に意味付けはしないというが、したい仕事をし、自分だけの空間もできた今は、デビュー当初と比べると、経済的、精神的な面のいずれも余裕がある。もちろん今も、彼が生み出すコンテンツに対するファンの期待に応えようと、ストレスはある。それでも「音楽、本、カフェを通じ、大勢とコミュニケーションする窓口が多様になってうれしい」。その言葉に、彼がインタビューの間も、カフェに入ってくる見知らぬ客を目礼で迎えていたことに思い当たった。
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