【ソウル3日聯合ニュース】歌手のイ・スヨンが9枚目のアルバム「Dazzle」をこのほどリリースした。
8枚目アルバムを発表したころのインタビューと比べ、イ・スヨンには余裕がうかがわれた。当時、うつ症状があり、全霊を込めて歌うのはしんどいと明かしたのとは異なる姿だ。
新譜が温かな音楽に仕上がったのは、芸能界の友人、パク・キョンリム一家の力が大きかった。穏やかな幸せに包まれた家族の姿をそばで見守るのは初めてだった。「安定した、正しい家族の姿とはこういうものなんだ」と感じたのだという。自分の実家に行くようによく遊びに行き、特にパク・キョンリムの息子が「ビタミン剤」になってくれた。
こうした気持ちの変化は、アルバムにもそっくり現れている。切々とした情感たっぷりの歌で愛され、今年で10年。節目の年となるだけに、凄絶な音楽はやめにしたいと思った。
「生きるのも大変なのに、歌もめそめそしていたら泣くようなことばかり起きる気がしました。音楽的にも温かい感じが良くて、自然とそんな歌に耳を傾けるようになって。わたしの音楽もそろそろ余裕ができればと思うし、聞く人を包み込みたくなった」。
そこで、彼女のファーストアルバムにも曲を提供したことのあるチョ・ギュマン氏を新たなプロデューサーを迎えた。タイトル曲「わたしの名を呼ばないで」も同氏が手掛けた。レトロなメロディーに洗練されたサウンドで味付けをし、悲しくも明るいイメージとなっている。
8枚目とミニアルバムの売れ行きは残念な結果だっただけに、苦心の末に打ち出した曲のように思える。イ・スヨンによると、そのころはちょうどバラードがあまり受けない時期だったこともあるが、それとは別に、この3年は所属事務所の問題などで悩みは尽きず、それこそ「死んでいるも同然だった」という。しかし、昨年秋に新しい事務所に移ってミニアルバムを出し、生きることに対する価値観を変え始めた。
このミニアルバムは、所属事務所が「歌手は歌を歌ってこそ」と、彼女を救うつもりで出したものだという。インターネット上ではイ・スヨンはもう終わったなどの書き込みもあったが、彼女は「人はいつまでもトップにとどまることはできない。少しずつ下っていくのが一番美しい姿。一気に失うともしれない人気にすがっても無駄」ということに気付いた。
ニューアルバムの制作でも、音楽にしがみつき引きずられるということはなく、距離を置いて作業そのものを楽しんだ。これまで書きとめていた文を拾って作詞をする時には、自分の話をできるだけ取り除いたり、自身のことを他人の話のように書こうとした。
初めて心の荷を降ろしたようなイ・スヨンに、「歌手になって良かったか」と尋ねた。これは彼女が3年間悩み続けた問いだった。「再びステージに立ち、『歌手になっていなかったら、どれほど大きな火だるまがわたしの一生を押さえつけただろうか』という気がしました」。
最近、ファンがご褒美を贈ってくれた。10年間の荒波の中でも、歌手という立場を失うことなく歌ってくれた歌手イ・スヨンに感謝するという内容が記されたトロフィーだ。「人気は必ず一度は必要だけれど、長く歌い続けるには、人気があろうとなかろうと未練を持ってはだめ。この場所はわたしではなく、ファンがくれた場所なんです」という言葉に、覚悟がにじむ。
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